平成29年5月26日に兵庫県尼崎市で発見されたアリについて、専門機関による種の同定の結果、6月9日に特定外来生物であるヒアリ(Solenopsis
invicta)と確認されました。ヒアリは、中国・広東省広州市の南沙港から出航した貨物船内のコンテナ(1個)の内部で発見されたものです。
ヒアリは、南米原産で体長は2.5~6mm程度、体色は主に赤茶色の有毒のアリです。世界では北米や中国、フィリピン、台湾等にも外来生物として侵入・定着しており、世界各地で大きな問題となっています。これまで、日本では侵入は確認されていませんでした。
火蟻の写真
ヒアリとはどんな蟻なのか?
赤茶色のアリで、腹部は濃く黒っぽい赤色。体長は2.5ミリから6ミリと大きさには個体間でバラツキがあるようです。
小型のアリにもかかわらず、刺されると火傷のような激しい痛みに襲われるとのこと。毒性がとても強くて、毒針で刺されると、アレルギー反応によって死に至ることもあります。性格はスズメバチのように攻撃的で、積極的に刺してくるようです。
ヒアリに刺されたときの症状
<軽度/刺された部位の痛みやかゆみ>
刺された瞬間は、熱いと感じるような激しい痛みが走ります。やがて刺された痕がかゆくなります。10時間ほど経つと膿ができます。
<中度/じんましん>
刺されてから数分後から数十分後には刺された部分を中心に腫れが広がり、部分的または全身にかゆみを伴う発疹(じんましん)ができることがあります。
<重度/呼吸困難・血圧低下・意識障害>
刺されて数分から数十分の間に、息苦しさ、声がれ、激しい動悸やめまいを起こすことがあり、進行すると意識を失うことがあります。ヒアリとはどんな蟻なのか? こういった症状が出た場合は、重度の即時型アレルギー反応「アナフィラキシー」である可能性が高く、処置が遅れると、生命の危険も伴います。
ヒアリに刺されたときの対処は?
♦刺された直後の対処
20分~30分程度は安静にし、体長の変化がないか十分に注意しましょう。軽度の症状のみであり、症状が悪化する様子がなければ、ゆっくりと病院を受診しても大丈夫です。
♦容体が急変したとき
症状は急速に進むので、とにかく一番近い病院を受診します。(救急受け入れのある病院だとなお良い)
「アリに刺された」こと、「アナフィラキシーの可能性がある」ことを伝え、すぐに治療してもらいます。
病院が遠い場合や自力で行けない場合は救急車を使ってください。
ヒアリの毒成分
ヒアリの毒には、アルカロイド毒であるソレノプシン(2_メチル_6_アルキルビペルディン)のほか、ハチ毒との共通成分であるホスホリパーゼやヒアルロニダーゼなどが含まれています。
そのため、ヒアリに刺された経験がない人でも、ハチ毒アレルギーを持つ人やハチに刺されたことのある人は特にアナフィラキシーに注意が必要です。
※以上、2017年7月5日現在の環境省によるヒアリに関する情報です。
ストップ・ザ・ヒアリ(ヒアリの特徴・生態・駆除方法・刺されたときの対処方法等の参考)
↑ 環境省で配布されているPDFファイルです。