副鼻腔気管支症候群

副鼻腔気管支症候群は、慢性気管支炎やびまん性汎細気管支円・気管支拡張症といった慢性の下気道炎症に、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)が合併した状態の疾患です。
胸部レントゲンに異常がみられない長引く咳の中では、意外と多い疾患です。
副鼻腔炎になると、睡眠中などに鼻汁が喉の方に降りていってしまい、気管支に入って気管支炎の原因になります。
また、口呼吸が多くなるため、加湿・加温・清浄化されていない空気が吸入されて、気管支炎を誘発することもあります。

 副鼻腔気管支症候群の特徴

副鼻腔炎になると、鼻水が粘り気を持ってきます。その鼻水が喉の方に流れてしまうことを「後鼻漏」といいます。
後鼻漏を起こすと、気管支はその異物を外に出そうとして咳が出ます。また、鼻汁によって気管支が炎症を起こして気管支炎になってしまいます。
副鼻腔炎の症状と気管支炎の症状があることも特徴になります。

 主な特徴

呼吸困難を伴わない咳が長く続く
鼻づまり、鼻汁、嗅覚障害などの症状がある
咳、痰、微熱などの気管支炎の症状がある
痰は膿性で量は多い
胸部レントゲンで異常がない
寝ているときや朝方に咳がひどくなる
ヒューヒュー、ゼーゼーなどのような呼吸困難などはない

 

 副鼻腔気管支症候群の治療

治療は内服治療を行います。
マクロライド系の抗生物質去痰剤が有効です。
軽症の場合は去痰剤だけでも効果が出ます。
治療開始から1~2週間で効果が出ることもありますが、改善が現れるまで1ヵ月~3ヵ月かかるケースも多く、抗生剤を少量で長期間服用することも珍しくありません。
長期間の治療となりますが、症状が軽くなったからといって自己判断で治療を中止することは厳禁です。
また、6ヵ月を目安とした内服治療で効果が現れない場合は副鼻腔の手術をすることもあります。

 

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